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宮本武蔵の兵法35か条 その16~17

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宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳です。今回は第16条と第17条です。

 

第16条 2つのステップ

刀を1回打つあいだに、足は2ステップします。

ノリノリで攻めるときも、相手の刀をよけるときも、突くときも、引くときも、足は2ステップです。

「足を継ぐ」というのは、これのことです。

刀の一打ちに対して、足が1ステップでは、のんびり過ぎてリズムが悪いんです。

2ステップです。それが自然です。

それぞれでよく工夫してみてくださいね。

 

第17条 剣を踏む

剣を踏むというのは…

相手の刀の先端を、自分の足で踏むようなイメージです。

相手の刀の行きつくところを、左足で踏みつける気持ちです。

 

踏むといっても、かならずしも足で踏みつけるとは限りません。

刀で踏む、体で踏む、心で踏む。どれもありです。

踏むことで先手をとって、自分の流れに持ち込めればOKです。

 

また…

踏もうとせずに、足をリラックスさせておくこともあります。

剣を踏むというのは、毎回毎回できることではありません。

よく研究してみてください。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ


司馬遼太郎『真説宮本武蔵』のおもしろさ

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『真説宮本武蔵』は、司馬遼太郎さんの短編小説です。ぼくにとっては、宮本武蔵の意外な一面をみた印象深い作品でした。

読んだ感想です。

 

新装版 真説宮本武蔵 (講談社文庫)
新装版 真説宮本武蔵 (講談社文庫)

 

これは、宮本武蔵の就職活動のはなしです。武蔵というと、世間的な出世に興味をもたず、ひたすら剣の道を追求したストイックな人、というイメージをもたれている方も多いと思います。

 

この小説では、剣の腕前を売りにしてなんとか仕官しようとする武蔵の就職活動の奮闘がえがかれています。剣だけでは高い給料で召し抱えてもらえないとなると、武蔵は軍学に興味をもちはじめます。

 

軍学とは、たくさんの兵士を指揮して戦うことをあつかった学問です。武蔵は一介の剣術の先生として召し抱えられることは望んでいませんでした。それだと給料が安いんです。だから軍学によってもっと高禄で召し抱えてもらおうと奮闘します。

 

が。プライドの高い武蔵の就職活動は、うまくいきません。

引用します↓

 

武蔵は強くなりすぎた。名声を得、尊大にもなった。自尊心で肥大したその巨体は、世間の組織にはまりにくくなってきたのである。

 

剣の道をきわめたあとの、就職活動時代の武蔵が読めるのは、ぼくにとって新鮮でした。

 

無名時代のあせり

有名になる前の、無名時代の武蔵も書かれています。

武蔵は城下にちかい林を稽古場にえらびました。そこで夜な夜な、奇抜なかっこうをして林の木々をぬいつつ、「怪鳥のような跳びかた」をして目立とうとします。

なんとか目立って有名になりたい、という無名時代の武蔵のあせりです。

 

自分より強い者とは戦わない

目立とうとする武蔵のようすを不快に思い、試合を申し込んできた者がいました。藩の指南役をつとめる腕前の男です。

武蔵は試合を受けるとも受けないとも言わず、数日のあいだその男のようすを観察していましたが…

やがて人知れず城下を立ち退いていきました。

どんな理由があったのか、ぼくらは想像するしかありません。おそらく、その男が自分よりも強いと判断して、試合を避けたんじゃないかと思います。

 

相手の実力を「見切る」

武蔵は、相手が自分よりも強いか弱いか見切るのが上手だったといいます。

引用します↓

 

(武蔵は)仕合の相手をえらぶときに、かならずおのれよりも弱いと見切ってからでなければ、立ち合わなかった。

武蔵の才能の中で、もっとも卓越したものは、その「見切り」という計算力であった。

 

おもしろい話ですね。自分よりも弱い相手としか戦わなかったという武蔵の描かれ方は、ぼくにとっては新しい武蔵像でした。

 

と、こんなふうに…

この作品では、一味ちがった武蔵が楽しめます。

 

新装版 真説宮本武蔵 (講談社文庫)には、表題作「真説宮本武蔵」のほかにも、「京の剣客」、「千葉周作」、「上総の剣客」、「越後の刀」、「奇妙な剣客」など、剣豪が主人公の作品がおさめられています。

宮本武蔵の兵法35か条 その18~19

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宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳です。今回は第18条と19条です。

 

第18条 陰(いんのかげ)をおさえる

どうも。宮本武蔵です。

さて…

今回は、陰(いんのかげ)をおさえる、についてお話しますね。

 

相手をよくみると、十分注意をはらっている部分もあれば、注意が足りていない部分もあります。

もし、ものごとを自分のペースにもっていきたければ…

相手が注意をはらっている部分をつくと見せかけて、注意が足りていない部分をつくんです。

相手の注意が足りていない部分のことを、陰(いんのかげ)といいます。

 

第19条 影(ようのかげ)を動かす

相手の考えていることが、なかなかわからないときは、どうするか…。

そんなときは、何かちょっと仕掛けてみてください。

それに対する相手の反応から、相手の考えていることを読み取ります。

 

つまり…

勝負のとき、相手が刀のうごきを悟られまいとしてまったく動かない場合は、相手のからだを打ってみるんです。

すると、かならず相手のからだが動き出します。それを見るんです。

 

私の流派では、じーっと停滞することは、あまりオススメしていません。

相手に動きが出たところをつきます。

これが、影(ようのかげ)を動かす、という方法です。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

宮本武蔵 小倉碑文 ざっくり現代語訳

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宮本武蔵の活躍をしるした小倉碑文というものがあります。

武蔵の養子・伊織(いおり)が建立した碑です。

そこにどんなことが書いてあるのか、要点をしぼってざっくりと現代語訳してみました。

 

小倉碑文 ざっくり現代語訳

 

宮本武蔵はすごい人です。彼は二刀流を生み出しました。

彼のお父さんは、十手(じって)の名人でした。

 

武蔵もはじめは十手の練習をしていました。

でも…

あるとき、こう考えるようになります。

 

「たしかに十手は、刀の何倍もすぐれている。でも、十手は刀とちがって、いつも身に付けているものじゃない。それに対して、刀はいつも2本、身に付けている。じゃあ、2本の刀を十手のように使えば、すごく強くなれるじゃないか!」

 

こうして武蔵は、二刀の使い手になりました。

 

武蔵は、真剣や木刀を投げて、逃げるものに命中させることもできました。

 

13歳のときには、播州新当流の有馬喜兵衛という人物と戦って勝ちました。

16歳の春には、但馬国に行き、秋山という人物に勝ちました。これで武蔵は一躍有名になりました。

 

そのあと武蔵は京都に行き、すごく強いといわれる剣の名門・吉岡ファミリーに決闘を申し込みました。

武蔵はまず、蓮台野で吉岡清十郎に勝ちました。

つぎに、吉岡伝七朗に勝ちました。

 

吉岡の弟子たちは話し合いました。「剣の腕では武蔵にかなわない。大勢で一気にやっつけよう」

 

これを知って武蔵は、自分の弟子たちに言いました。

「きみたちは関係のない人間だ。はやく逃げなさい。私ならだいじょうぶ。たとえやつらが群れを成してかかってきても、私から見れば浮雲みたいなものだ。なにも心配いらないよ」

 

その言葉どおり…

武蔵はたった一人でたくさんの敵をやっつけました。

武蔵の強さに、京都中がおどろきました。

その後、吉岡ファミリーは兵法家をつづけられなくなりました。

 

ある剣の達人がいました。巌流(がんりゅう)という流派です。

彼が武蔵に言いました。「真剣で勝負しよう」

武蔵は答えました。「きみは真剣でワザの限りを尽くすといい。私は木刀でこの腕前を披露しよう」

 

長門国と豊前国のあいだに浮かぶ船島で、両者は同時に相対しました。

巌流は、ワザの限りを尽くしました。

が。

武蔵は木刀の一撃で、巌流をたおしました。そのスピードといったら、電光さえも遅いほどです。

 

武蔵は13歳から壮年まで、60回以上も勝負をして負け知らずでした。すごい人です。

武蔵はつねに言っていました。「兵術をしっかり身につければ、戦場で大軍を動かしたり、国をおさめることも、けっして難しくないだろうね」と。

武蔵は、石田三成の謀反(関ヶ原の戦い)や、秀頼公の乱(大坂の陣)でも活躍しました。

 

武蔵は、剣だけではなく、礼儀や音楽や弓矢、乗馬、書道、算数、文学も得意でした。

武蔵は、肥後国で亡くなりました。私、伊織はこの碑をたて、武蔵の活躍を後世に残します。

ああ、宮本武蔵。とても偉大な人ですね。

おしまい。

 

 

佐々木小次郎の名前はない

 

以上が、小倉碑文のざっくり現代語訳です。

ここに書かれていることがぜんぶ本当とは限りません。でも、武蔵の死から10年ほどしか経っていない時期につくられたものなので、時期的にはわりと武蔵に近い史料ですよね。

小倉碑文を読むと、「佐々木小次郎」という名前は出てきません。ただ巌流とだけ呼ばれています。

巌流島の決闘も、武蔵が遅れたとは書かれていません。同時に相対した、と書かれています。実際のところ、どうだったんでしょうね。

小倉碑文は武蔵側の人間(武蔵の養子)が残したものですから、巌流島にわざと遅れて行ったことをあえて書かなかったとも考えられますよね。

 

と。

こんなふうに…

実際はああだったのかな、こうだったのかな、と想像するのって、楽しいですよね~。

遠い歴史のあれこれを想像する。ムフフです。浪漫です。

宮本武蔵の兵法35か条 その20~21

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宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳です。

今回は、第20条と21条です。

 

第20条 弦(つる)をはずす

 

弓ってありますよね。

弓の弦(つる)をピンと引っ張ると、固くなります。

それと同じで…

誰かと対面したとき、相手も自分も、弦をピンと張ったように緊張して固くなることがあります。

そんなときは、体、心、足の運び、なんでもいいので、とにかくリラックスのきっかけをつくることです。

これが「弦をはずす」です。

相手が思ってもいないようなことで弦をはずすと、より効果的ですよ。

工夫してみてくださいね。

 

第21条 くしの教え

 

髪の毛をとかす道具に、くしがあります。

あれを、自分の心の中に持つんです。

心のくしです。

心がもつれて固くなったときは、心のくしで解きほぐすんです。

こんがらがったものを、ほどくんです。

ちなみに…

心が引き締まって固くなることと、もつれて固くなることは、似ています。

でも、別物です。

心が引き締まって固くなるときは、うまくいきます。

もつれて固くなるときは、うまくいきません。

よく考えておきたいことですね。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

100分 de 名著 『五輪書』のテキスト

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先日は、「なんかブログのアクセス数が上がっていると思ったらNHKで『五輪書』のことを放送しているー!」という記事を書きました。

こちらの記事です。⇒100分de名著 宮本武蔵の『五輪書』

ぼくは放送を見ていないんですけど、テレビ番組表をチェックして知りました。

 

そしてきょう…

 

そのNHKの番組の本を買いました。

こちらです。

じゃーん!

宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)

ほかの本って、いますぐ買わなくても、あとで買いたくなったときにまたいつでも買えそうな気がしますけど、この本はなんだか期間限定のオーラをまとっているので「いま買わなきゃ」な心をすごく刺激されます。

 

というわけで、買いました。

 

薄いです。(←褒め言葉)

軽いです。(←褒め言葉)

薄くて軽いといっても、105ページはあります。

持ち運びが便利ですし、いろんな体勢で読んでも、手が疲れなさそうで嬉しいです。

 

表紙が白くて凛としているのも、読書欲をそそります。

著者の魚住先生は、『五輪書』の研究をされている方で、放送大学の教授だそうです。

 

あとでじっくり読みます。

ふとんに入ってぬくぬくしながら読むときのことを考えると、すごくたのしみで笑いが漏れます。

宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)

関ヶ原 宮本武蔵は西軍か東軍か

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宮本武蔵は若い頃、関ヶ原の戦いに参加しました。じつは、西軍として参加したのか、東軍として参加したのか、説がわかれているそうです。

 

吉川英治の『宮本武蔵』

ぼくはてっきり、武蔵は西軍だったとばかり思っていました。

宮本武蔵のイメージを決定づけた国民的小説は、吉川英治さんの『宮本武蔵』です。

その武蔵は、西軍でした。

宮本武蔵(1) (吉川英治歴史時代文庫)

吉川英治さんの『宮本武蔵』は、関ヶ原の戦いの直後からはじまります。西軍に参加して、敗北して、武蔵がボロボロになったところから物語がスタートします。冒頭から、すごく印象深いシーンでした。

 

 

津本陽の『宮本武蔵』

津本陽さんの小説『宮本武蔵』を開いてみると…。

この作品でも、武蔵は西軍として関ヶ原の戦いに参加しています。「宇喜多軍の前衛八千人」の中にいたことになっています。

宮本武蔵 (文春文庫)

 

 

司馬遼太郎の『宮本武蔵』

司馬遼太郎さんの『宮本武蔵』はどうでしょう。

こちらも、武蔵は西軍として関ヶ原に参加しています。

津本陽さんの『宮本武蔵』とおなじく、西軍の主力・宇喜多秀家の軍勢にまじっています。

宇喜多秀家の直属の軍ではなく、宇喜多秀家の重臣・新免伊賀守の軍です。

新装版 宮本武蔵 (朝日文庫)

 

司馬遼太郎さんは上の長編小説のほかに、短編小説の『真説宮本武蔵』も書いています。

こちらでも、武蔵は西軍です。

新装版 真説宮本武蔵 (講談社文庫)

 

 

直木三十五の『宮本武蔵』

直木賞で有名な、直木三十五も『宮本武蔵』を書いています。こちらの武蔵も西軍です。やはり宇喜多秀家の勢力として、関ヶ原の戦いに参加しています。

直木三十五の『宮本武蔵』は、いろいろな作家の剣豪小説をあつめた短編集『剣聖』におさめられています。

剣聖―乱世に生きた五人の兵法者 (新潮文庫)

 

 

100分 de 名著 『五輪書』のテキスト

先日買ったNHK「100分 de 名著」の『五輪書』のテキストでは、東軍説がとられています。

宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)

これは小説ではなく、宮本武蔵の書いた『五輪書』を読み解くためのテキストです。

そこには、こう書かれています。

 

(武蔵は)九州で東軍側だった黒田官兵衛の下で豊後(大分県)の合戦や城攻めに参加していたようです。

 

おぉ…! 九州! 東軍!

関ヶ原の戦いは、岐阜県で起きました。そのとき同時に、九州でも東軍と西軍にわかれて戦いが起きていました。武蔵は九州にいた、しかも東軍で、という説ですね。

 

西軍か東軍か

そういえば最近読んだ本でも、武蔵には東軍説と西軍説があると書かれていました。本のタイトルは忘れました(笑)

個人的な体感ですけど、小説はほとんど西軍説のような気がします。

勉強不足のせいか、武蔵が東軍として関ヶ原に参加する小説は読んだことがありません。

きっと、どこかにそういう小説もあるのでしょうね。いつか出会えるといいな♪

超訳 五輪書『宮本武蔵語録』の感想

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名言には、短い中にも力がありますよね。宮本武蔵の語録を見つけました。

著書『声に出して読みたい日本語』で有名な齋藤孝さんの書いた本です。

こちら↓

超訳 宮本武蔵語録 精神を強くする『五輪書』
超訳 宮本武蔵語録 精神を強くする『五輪書』

 

宮本武蔵の『五輪書』は、地の巻水の巻火の巻風の巻空の巻、の5巻から成っています。

その各巻から、現代のぼくらにも響く名言をピックアップしたのが、この本です。

 

短くてわかりやすい言葉

武蔵の思いが、齋藤孝さんの手によって、分かりやすく短い言葉で表現されています。

それぞれの名言のあとに、解説が載っています。

 

武蔵はいいこと言ってるね~

『五輪書』の全体像や詳しい内容について知るための本ではありません。あくまでも『五輪書』の名言を断片的に取り上げて「おぉ~。武蔵はいいこと言ってるね~」と読むための本です。

個人的な希望としては、解説の分量をもっと少なくして、そのぶん武蔵の言葉をもっと多く取り上げてくれると嬉しかったなぁ、って思います。

でもあれなのかな、本としてページ数をある程度確保しようと思ったら、解説の分量を増やさざるをえなかったのかな…。

 

こんな方におすすめ

「武蔵も知らないし、五輪書も知らないけど、なにかビビッとくる言葉を読んで明日の支えにしたい…」という方には、読みやすい本です。

 

『五輪書』について知りたい場合は

もしも、『五輪書』そのものについて詳しく知りたいという方は、いろいろな出版社から出ている『五輪書』の現代語訳のほうをどうぞ。

ちなみに…

このブログのメーンコンテンツも五輪書の現代語訳なので、よろしければご覧くださいませ。ぼくなりの宮本武蔵名言集もまとめてあります。と、最後は自分のブログのアピールみたいになってしまった…(汗)


宮本武蔵の兵法35か条 その22

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宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳を書いています。

今回は第22条。攻めるタイミングの話です。

 

第22条 攻めるタイミング

のんびりした相手もいれば、せっかちな相手もいます。

相手によって、こちらから仕掛けるタイミングが変わってきます。

 

のんびりした態度の相手に対しては…

一触即発の間合いになっても攻撃するそぶりを見せないでおいて、いきなり素早く打ち込みます。

これが「一拍子」と呼ばれる打ち方です。

 

せっかちな相手に対しては…

こちらから打ち込む!と見せかけてじつは打たない、っていうフェイントをかけるとイイですよ。

 

すると、

相手はせっかちなので、こちらの動きにつられて打ち込んできます。それをよけて、今度こそ本当に打ち込むんです。

これが「二の腰」と呼ばれる打ち方です。

 

ほかにも…

体は打つ動きをしつつ、心と刀は残して、相手の気のすきを無心に強烈に打つ、

という方法があります。

これが「無念無相」です。

 

あとは…

わざと遅いタイミングで打って相手の調子をくるわせ、こっちのペースに持ち込むという手もあります。

これが「遅れ拍子」です。

ぜひ研究してみてくださいね。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

笑顔とポジティブ思考にこだわらない

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このブログでは、宮本武蔵の『五輪書』のゆるい現代語訳を載せています。

五輪書のゆるい現代語訳

 

『五輪書』は武道の本です。

でも、ぼくは武道をやりません。

 

だから『五輪書』を武道の本として読むことはありません。

どちらかというと、「人間関係」とか「心の持ち方」とか、そういうことにあてはめて読んでいます。

 

剣の長さに固執しない

宮本武蔵は『五輪書』の中で、長い剣に固執する気持ちにダメ出しをしています。

ざっとその内容を書くと…

「長い剣はたしかに有利な場合も多いけど、どんな場合も長ければ有利っていうわけじゃない。長い剣さえあれば勝てる、っていう気持ちがあると、失敗しますよ」

みたいな感じです。

 

笑顔に固執しない

上の武蔵のことばを、「人間関係」にあてはめてみます。

人間関係で笑顔は大切だとよく言われます。たしかにそうですよね。大賛成です。

でも、何でもかんでも、いつでもどこでも笑顔ならOKってわけじゃありません。笑顔がふさわしくない場面もあります。悲しい場面、真剣な場面、深刻な場面などなど。そんなときにまで笑顔に固執していると、変なことになります。

 

ポジティブ思考に固執しない

武蔵のことばを、「心の持ち方」にあてはめてみます。

よくポジティブ思考は大事だといわれます。たしかにそうです。これも大賛成です。

でも、何でもかんでもポジティブに受け止めてばかりだと、ものごとの本当の問題点から目を背けることになります。

あと、ポジティブな言葉で自分の苦しみをごまかして、知らず知らずのうちに心に負担をためこんでいることにもなります。ポジティブ思考はたしかに大切ですけど、それも度がすぎると良くありませんよね。

 

こんなふうに…

『五輪書』に書かれていることを、「人間関係」とか「心の持ち方」にあてはめて読んでいます。

すると、武道をやらないぼくにも、しっくりくる内容がたくさんあります。

『五輪書』は読み方次第で意味が無限に広がるふしぎな本です。

宮本武蔵に関する本

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宮本武蔵に関する本をピックアップしています。

 

五輪書 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ5)
五輪書 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ5)
五輪書をはじめて読む方にオススメです。とても読みやすい文章で書かれています。原文は載っていません。

 

五輪書 (講談社学術文庫)
五輪書 (講談社学術文庫)
五輪書の原文、現代語訳、兵法35箇条、独行道が載っています。著者の鎌田茂雄さんは東大名誉教授、天道流合気道5段。

 

決定版 五輪書現代語訳 (草思社文庫)
決定版 五輪書現代語訳 (草思社文庫)
もっとも古くもっともオリジナルに近いといわれる福岡藩吉田家伝来の書をもとにした原典に忠実な現代語訳。

 

五輪書 (岩波文庫)
五輪書 (岩波文庫)
新校訂を行ない詳しい注を付して読み易さに意を用いた。(Amazonより引用)

 

宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)
宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)
NHK番組「100分 de 名著」のテキスト。五輪書の原文をときどき引用しながら、五輪書の考え方を解説した本です。

 

五輪書
五輪書
Kindle版の五輪書です。

道筋を知ること 自然体でいること

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新しいことに挑戦するとき、うまくいくか心配になることがよくあります。

そんなときに『五輪書』を開いてヒントになる言葉を見つけると、ちょっと安心します。

きょうは愛読書のひとつ、五輪書 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ5)を開いてみました。

 

55ページ。

『五輪書』水の巻の「太刀の道ということ」という項目です。

 

要約すると、こんな感じです。

・刀の道筋のことを太刀筋という
・太刀筋を知っていれば、刀を2本の指で持ったとしても自由自在に振れる
・刀を速く振ろうとか力んで振ろうとすれば、かえって本来の太刀筋からはずれる

適度な力で静かに振ろうとする気持ちが大事だといいます。

 

これを読んで思ったのは…

・まず自分が取り組もうとしていることの道筋(フロー、仕事の流れ、話の流れ)をよく知る
・焦ったり力んだりすると道筋からはずれるので、ほどよく自然体で取り組む

ということです。

 

いま、新しいことがうまくいくか心配で、夢にも出てくるような状態なので、上の『五輪書』のことばをあらためて読んで少し気持ちの指針ができた気分です。

道筋をよく知ること。自然体で取り組むこと。

うん。きっと大丈夫。

宮本武蔵の兵法35か条 その23

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あーりーです。

宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳を書いています。

今回は第23条。

「枕の押さえ」という話です。

第23条 枕の押さえ

どうも。

宮本武蔵です。

 

 

今回は「枕の押さえ」についてお話しますね。

枕の押さえとは、相手が動き出す気配をいち早く察知して、先に押さえ込んでしまうことです。

 

 

相手が刀を打ち出そうとする兆候を感じたら、すぐさま封じます。

相手が「打つぞ!」と思った瞬間の「う」の字の頭を押さえるイメージです。

 

 

どう押さえるかと言うと…

心でも押さえ、体でも押さえ、刀でも押さえます

 

 

こんなふうに、相手の兆候を感じ取ることができれば、すごくイイですよね!

相手を攻撃するにしても、相手のふところに踏み込むにしても、相手のワザをはずすにしても、先手を取るにしても、何かと役に立ちます。

 

 

どんなことにも活かせますから、ぜひ鍛錬を怠らないようにして下さいね。

 

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

宮本武蔵の兵法35か条 その24

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あーりーです。

宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳を書いています。

今回は第24条。「景気を知る」という話です。

第24条 景気を知る

どうも。

宮本武蔵です。

今回は「景気を知る」についてお話しますね。

 

 

景気を知るとは…

その場の空気や、敵のようすを感じ取ることです。

浮き沈み、浅い深い、強い弱いなどを、よく見極めます。

 

 

以前、心のものさしの話をしました。

これは、どちらかというと、ふだんの状態において相手の心を知るためのものでした。

 

 

それに対して、今回の「景気を知る」という話は、戦いの一瞬において相手の心を読むものです。

 

 

戦いながら、瞬間的に相手のようすを見極めるんです。

それができれば、敵が前から来ようが、後ろから来ようが勝てます。

このことについてよく考えて、ぜひ自分のものにしてくださいね。

 

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

宮本武蔵の兵法35か条 その25

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宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳を書いています。

今回は第25条。

テーマは「敵の身になって考える」です。

第25条 敵の身になって考える

自分を敵の立場に置き換えて考えてみてください。

すると、見えてくるものがあります。

 

 

敵は、一人で立てこもっているのか。

大勢の仲間がいるのか。

武芸の達人なのか。

 

 

などなど。

敵にもいろいろあるかと思いますが、敵の立場に身を置いて、敵の苦悩を感じ取るんです。

 

 

敵にも、苦悩があるはずです。

迷いがあるはずです。

 

 

それを知らないと、弱い敵も強く見えてしまいます。

未熟な敵も、達人に見えてしまいます。

少ない敵も、多く見えてしまいます。

 

 

それだと、本来は有利ではないはずの敵を、有利にしてしまうんです。

 

 

そうならないためにも、敵の身になってください。

そして、敵にも苦悩や迷いがあることを感じ取ってください。

 

 

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ


宮本武蔵の兵法35か条 その26

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宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳を書いています。

今回は第26条。「残心・放心」の話です。

第26条 残心・放心のこと

今回のテーマである「残心・放心」とは…

時と場合によって変化するこころの状態のことです。

 

 

こころには2種類あります。

 

 

ひとつは「意」です。

これには、気力とか集中する気持ちといったニュアンスがあります。

 

 

もう一つは「心」です。

これには、広い意味の精神や心構えといったニュアンスがあります。

 

 

刀を手にしたときは…

「意」を手放し、「心」を残しておきます。

 

 

いざ敵を攻撃するときは…

「心」を手放し、「意」を残しておきます。

 

 

これが「残心・放心」です。

この話は、人によっていろいろな受け止め方ができます。

自分なりに、よく研究してみてくださいね。

 

 

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

『五輪書』を原文で読むなら岩波文庫

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あーりーです。

武道をやらないのに、『五輪書』を読むのが好きです。

 

 

といっても、べつに『五輪書』を読んでだれかに勝とうとしているわけじゃありません。

ただ単に、心の拠りどころなんです。

安心するというか。

 

 

ぼくは心の弱い人間なので、すぐに不安になったり、緊張したりします。

そんなとき、『五輪書』はぼくの心の支えになってくれます。

 

 

『五輪書』は、いろいろな出版社から出ていますよね。

最近ハマっているのは、岩波文庫の『五輪書』です。

テンションあがりますよ!

 

五輪書 (岩波文庫)
五輪書 (岩波文庫)

現代語訳が載ってない

岩波文庫の『五輪書』が、ほかの出版社の『五輪書』と決定的に違うのは、現代語訳が載っていないことです。

原文だけなんです。

 

 

若干の脚注はありますが、基本、ぜんぶ原文です。

なんて硬派なんでしょう!

この硬派な感じがたまりません。

 

原文が読みたい

いろんな出版社の『五輪書』を読んでいると、それぞれ現代語訳の表現が違うのがわかります。(ときには原文も違います)

どの現代語訳にも、味があります。

 

 

いろんな現代語訳に触れていると、「原文が読みたい!」という欲求が高まってきます。

原点に直接触れたいという欲求です。

 

 

それはたとえば、世界遺産をテレビやインターネットで見るだけでは満足できなくて、実際に行ってみたい!と思う感覚と似ているかも知れません。

 

 

自分の目で『五輪書』のホンモノを確かめたくなるんです。

その欲求を満たしてくれるのが、岩波文庫の『五輪書』なんです。

 

原文しか載せない潔さ

岩波文庫のほかにも、原文が載っている『五輪書』はあります。

でもたいていは、現代語訳も同時に載っています。

 

 

岩波文庫には、原文しか載っていません。

その潔さ。

惚れます。

 

 

読書がお好きな方なら、岩波文庫のあの知識欲をそそるなんとも言えない雰囲気がお分かりになると思います。

向学心を刺激するあの独特のオーラ。

いいですよね。

 

 

そんな岩波文庫が、原文だけの『五輪書』をババーーン!と出している。

読まずにはいられません。

 

『五輪書』が脳に直接入ってくる

『五輪書』を原文で読むと、意味が直接脳に入ってくるような気持ちよさがあります。

現代語訳というワンクッションがないぶん、ダイレクトに意味を感じ取ることができるんです。

 

シェークスピアを英語で読む

ぼくは英語が読めないのでわからないんですけど…

たぶん英語のわかる人は、シェークスピアの名句を日本語訳で読むよりも、英語で読んだ方がスッキリ頭に入ってくるんじゃないでしょうか。

それと同じです。たぶん。(←英語が読めないのでわからない)

 

『五輪書』の原文は難しくない

『五輪書』の原文は、意外とわかりやすい言葉(現代語に近い言葉)で書かれています。

だから、ぼくのように古文の知識のない人間でも、わりとスムーズに読むことができます。

(意味の分からない部分は雰囲気で読めばOKです)

 

原文を読んでいる!っていう悦び

岩波文庫を読んでいると…

あぁ♪ 自分はいま原文を読んでいる~!っていう悦びを感じます。

 

 

原文に触れると、あらためて思うところがいろいろあります。

ぜひブログに書きたい。

 

 

と、思いつつ…

 

 

『五輪書』を読むのが楽しくて、ついついパソコンではなく本を開いて、読書にどっぷりと浸る毎日です。

しあわせです♪

五輪書 (岩波文庫)

宮本武蔵の兵法35か条 その27

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宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳を書いています。

今回は第27条。「縁の当たり」についてです。

第27条 縁の当たり

敵が刀で斬りかかって来たとき…

みなさんなら、どうしますか?

 

 

間合いが近ければ、

敵の攻撃を刀で叩いたり、受けたり、当てたりしますよね。

 

 

叩くにしろ、受けるにしろ、当てるにしろ、

どれも敵を打つ「縁」をつくるためです。

 

 

「縁」とは、きっかけとか糸口のことです。

 

 

戦っていると、勢いに乗ることもあるでしょう。

タイミングをはずすこともあるでしょう。

突くこともあるでしょう。

 

 

それらもすべて、敵を打つための「縁」づくりです。

 

 

体も心も刀も、つねに相手を打つことを意識するんです。

すべては打つためです。

この意味をよく考えて自分のものにしてくださいね。

 

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

260年以上も秘伝だった『五輪書』をぼくらは今読んでいる

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あーりーです。

宮本武蔵の『五輪書』は、むかし秘伝だったそうです。

 

 

秘伝の書。

たまに歴史モノの小説やドラマに出てくる言葉ですよね。

選ばれた人たちしか手にできないというアレです。

 

秘伝とされた『五輪書』

『五輪書』を書いた武蔵本人は、『五輪書』を秘伝にするつもりはなかったそうです。

武蔵の死後、『五輪書』は弟子たちによって秘伝の書とされました。

 

 

NHKのテキスト『宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)』によると…

『五輪書』は、弟子たちによって

 

五巻に分けられ、免許の代わりに順番に授与されるようになって、流派の中だけで、秘伝として受け継がれていた

 

といいます。

 

今は誰でも読める

その秘伝の書が、今みたいに誰にでも読めるようになったのは、明治維新のあとだそうです。

宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)』には、次のように書かれています。

 

 

熊本の武蔵顕彰会が、二百六十年余りも秘伝書となっていた『五輪書』を初めて刊行

 

 

260年以上も秘伝の書として受け継がれてきたものを、ぼくらは今読んでいるんですね。

なんかスゴイです。

 

一流の戦士は何を考えて戦っていたのか

『五輪書』を読んでいつも思うのが、戦士の頭の中がこれほどハッキリと書き残されているのは、貴重だっていうことです。

 

 

歴史上の人物を見てみると…

政治家や思想家や作家は、自分の考えを書いた本をけっこう残しています。

それに比べると、戦士はあまりそういう本を残していないと思うんです。

 

 

ぼくらは、歴史上の政治家とか思想家の書いた本を読むことで、

なるほど~。この人はこういう考えで仕事をしてたのか。このへんが他人と違っていたから、歴史上で目立ってるのか~!

と知ることができます。

 

 

でも、戦士とか兵士の場合って、それを知るのが難しいんですよね。

考えが書き残されていないから。

その人の頭の中にあったものが、文字として伝えられていないんです。

 

 

歴史に名を残した一流の戦士が、なぜ一流たりえたのか。

ほかの戦士と何が違ったのか。

そういうことが書き残されている本が少ない。(政治家や思想家、作家に比べると、少ない)

 

 

宮本武蔵の『五輪書』は、戦士の頭の中が覗ける、数少ない本のひとつです。

しかも、かつては秘伝だった。

それをぼくらは今、書店でいつでも手にすることができる。

すごいことですよね。

 

 

この本はむかし、秘伝の書だった。

そう思って『五輪書』を手に取ると、不思議なロマンを感じます。

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