Quantcast
Channel: 五輪書 宮本武蔵の名言
Viewing all 79 articles
Browse latest View live

ないものねだりで苦しい時の3つの心得

$
0
0

人それぞれ、これがあると楽しい時間が過ごせる!というものがありますよね。ゲーム、DVD、会話、大好きな食べもの、趣味のアイテム、などなど。

でも、どうしてもそれが今すぐ手に入らないときは、ちょっぴり苦しいです。

 

実際、きのうのぼく自身が、そういう状況でした。

そんなときは…

宮本武蔵の『五輪書』に助けを求めます。

『五輪書』から、ないものねだりで苦しい時の3つの心得をピックアップしてみました。

 

1.それがなくても楽しめると知る

宮本武蔵は「刀がないと勝てないという思い込みは捨てましょう」と言っています。

『五輪書』火の巻(26)より。

原文は「無刀にて勝つ心あり。太刀にて勝たざる心あり」です。

きのうは、これを自分自身にあてはめてみました。

欲しいアイテムがないと今を楽しめないという思い込みを、捨てました。

blogirasuto6

2.いまここに楽しみを見つける

武蔵は「いまの状況にメリットを見つけて、それを活かしましょう」という意味のことを言っています。

『五輪書』火の巻(6)より。

原文は「其儘其理を受けて」です。

 

これも自分自身にあてはめてみました。

欲しいアイテムはない。

でも、今ここには、なにかしらのメリットや楽しみがある。

それを探してみる。

そんなふうに意識してみました。

すると…

あたりまえの何気ないこと一つ一つが少しずつ味わい深くなって、楽しくて、じわっと心が癒されました。

 

3.心は水のように

武蔵は「心は水のように」と言っています。

『五輪書』地の巻(4)より。

水は変幻自在。自由奔放です。

容器によって丸くもなれば四角にもなります。

一滴のしずくにもなれば、大海にもなります。

水のように自由に、変幻自在な気持ちで、今という瞬間を満たしていく。

いつの間にか、そういう自分自身を楽しめる気持ちになっていました。


宮本武蔵の兵法35か条 その5~6

$
0
0

宮本武蔵の『兵法35か条』のゆるい現代語訳です。今回は第5条「歩き方」と第6条「見方」を訳してみました。

第5条 歩き方

戦いのときの歩き方は、その時々でいろいろあります。

歩幅が大きかったり、小さかったり、速かったり、遅かったりと。

でも、基本的にはふだんと同じように歩くようにします。

NGな歩き方は、飛んだり、浮いたり、踏み据えたりする歩き方です。

そーっと歩いたり、テンポが合わない歩き方もダメです。

どんなに足場が悪いところでも、きちんと歩くようにしたいものですね。

 

第6条 見方

戦いのときにどこを見るかは、むかしから諸説ありますが、だいたい顔を見るようにします。

ふだんよりも少し目を細めて、穏やかに見ます。

眼球は動かしません。

目の前の相手を見るときも、まるで遠くのものを見るように見ます。

そうすれば、相手のワザや周辺までも見通すことができます。

 

ものの見方には「観」と「見」の2つがあります。

「観」は遠くから全体像を見ること。「見」は近くを細やかに見ることです。

本番では「観」の目を強く、「見」の目を弱くします。

こちらの眼の動きから、相手に思惑を悟られることがあるので気を付けましょう。

集中する気持ちは、相手に悟られやすいです。

ゆったりと広くかまえる心は、悟られにくいです。

よく研究したいところですね。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

宮本武蔵が人にものを教える時の3原則

$
0
0

宮本武蔵の小説に出てくる挿話です。武蔵が少年に剣の指導をします。その方法がステキでした。

あるとき、宮本武蔵のもとに一人の少年が訪ねてきました。

少年は「父のかたきが討ちたい」と言い、武蔵に剣の手ほどきを願い出ます。

しかも、勝負はあす。

時間がありません。

 

このときの武蔵の指導のしかたが、とっても興味深いんです。

読んでいて、3つのポイントがあるように感じました。

 

1.やる気を引き出す

武蔵はまず、少年に剣を振らせてみました。

いまいちでした。

でも、そのことは口に出しませんでした。

今から直しても間に合わないし、少年の自信を失わせてしまうからです。

そのかわり、こう言いました。

「それでいい。みごとだ」

少年はよろこびました。

自信をつけた少年は、ますますやる気をもって練習をつづけました。

 

2.まず一つの方法を完璧に

武蔵は「秘法をさずけよう」と言い、ごくシンプルで実用的な攻撃のしかたを、ひとつだけ教えました。

それだけを繰り返し練習させました。

 

3.必ずできると暗示をかける

十分な練習のあと、武蔵は「これで、勝てる」と少年にお墨付きを与えました。

さらに、少年を勇気づけるため、こう言いました。

「勝負の日、足元の地面にアリが這っていれば、運のある証拠。勝利はまちがいない」

季節は真夏です。地面にアリがいて当然です。

これは勝利のための暗示でした。

 

少年は、勝負に勝ちました。

武蔵の指導のしかた、とても面白いですね。

出典:新装版 宮本武蔵 (朝日文庫)
blogirasuto7

宮本武蔵の兵法35か条 その7~8

$
0
0

宮本武蔵『兵法35か条』のゆる~い現代語訳です。今回は第7条「相手との距離」と第8条「心のもち方」です。

 

第7条 相手との距離

おおまかに言うと、こちらの刀が相手にあたる距離では、相手の刀もこちらにあたります。

相手を傷つけようとすれば、自分も傷つくものです。

それを忘れずに、よく工夫してみてはいかがでしょう。

 

第8条 心のもち方

私が理想とする心のもち方は、つぎのようなものです。

弱気にならず、調子に乗らず、小手先の計算はせず、恐れず、まっずぐに、のびのびと。

ひとつのことに集中する「意」のこころは、ほどほどに。

広く全体を感じる「心」のこころを強くします。

心を水にして、そのときどきで状況に応じます。

水は深い色にもなり、一滴にもなり、青い海にもなります。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

人間関係のヒントになる宮本武蔵の名言

$
0
0

宮本武蔵のことばや考え方から、人間関係のヒントを感じることがよくあります。ゆる~い現代語訳より、いくつかピックアップしてみました。

 

「相手を傷つけようとすれば、自分も傷つくものです」

宮本武蔵の兵法35か条より。自分の刀が相手にあたるということは、相手の刀も自分にあたる、と武蔵は言っています。

 

「雰囲気は人に移る」

『五輪書』火の巻(12)の趣旨を意訳しました。あくびや眠気は人にうつる、ゆったりとした雰囲気も人にうつる、と武蔵は言います。自分がのぞむ雰囲気があれば、まずそれを自分でつくることですね。

 

「弱気にならない、調子に乗らない、小手先の計算はしない」

宮本武蔵の兵法35か条の「第8条」より。原文は「減らず上らず巧まず」です。武蔵が考える心のありかたの理想は、水です。

 

「寄り添って離れない」

宮本武蔵『五輪書』水の巻(24)より。「漆膠(しっこう)の身」のことです。

blogirasuto4

人にはそれぞれ活躍できる場所がある

$
0
0

宮本武蔵の『五輪書』を読むと、「人にはそれぞれ活躍できる場所がある」と感じます。たとえば、『五輪書』には次のようなことが書いてあります。

 

戦いの道具にはそれぞれの強みがある

武蔵は、どんな道具にもそれぞれの強みがあるといいます。

たとえば…

1.短い刀。これは狭いところや、接近戦に強い。

2.槍。これは合戦の先手として威力を発揮する。

3.長刀。これは合戦の後手として威力を発揮する。

4.弓。これは平地での合戦に強い。

5.鉄砲。城にこもって守りを固めるときは、これ最強。

それぞれの強みが十分に発揮できる場所が、かならずあります。

blogirasuto5

木にもそれぞれの良さがある

『五輪書』には、家を建てるときの木材のはなしも載っています。

どんな木材にも、それぞれ良い使い道があるそうです。

たとえば…

1.まっすぐで節のない木。これは見えるところに使う。

2.節があって、丈夫な木。これは見えない部分の柱に使う。

3.弱くて、見た目のいい木。これは敷居や鴨居、戸、障子に使う。

4.節があってゆがんでいて、丈夫な木。これは強度が求められる部分に使う。

5.節があってゆがんでいて、弱い木。これは足場や薪にできる。

どんな木にも、活かし方があるんですね。

 

馬に乗れない武将

『五輪書』を読んで、思い出した話があります。

三国志の時代。

馬に乗れない武将がいました。

馬に乗れないなんて、武将としてはダメダメです。

でも彼は、組織作りや軍の指揮官として才能を発揮します。

そして「破竹の勢い」の語源になるほどの大活躍をしました。

馬に乗れない武将にも、活躍の道はあったんです。

 

泣き顔の武将

もうひとつ。思い出したことがあります。

今度は、日本の戦国時代のはなしです。

あるところに、いつも泣いているような表情の武将がいました。

ほかの武将たちは、

「あんな弱気な顔は武将として不吉だ」

「クビになればいいのに」

と思っていました。

でも彼の上司は、彼をかばってこう言いました。

「あの表情は、法事や葬式の使者としては最適だよ」

人それぞれの持ち味を活かせる場所があるんですね。

宮本武蔵の兵法35か条 その9~10

$
0
0

宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳です。今回は第9条と第10条です。

 

第9条 兵法の上中下

兵法には、上・中・下があります。

「下」の人たちは、構えの多さやパワー、スピードを見せつけようとします。

「中」の人たちは、細やかで、ワザをひけらかしながらも、タイミングがとれていて、品格があり、見栄えもいいです。

「上」の人たちは、力強くもなければ、弱々しくもありません。才走って目立つこともなく、素早いわけでもありません。見た目は華々しくもなく、悪くもありません。

ただ、ゆったりと、まっすぐ、静かです。これが「上」の兵法です。

 

第10条 心のものさし

心の中にものさしを持つことをオススメします。

自分の心のものさしを相手にあててみると、いろいろなことがわかってきます。

たとえば…

相手の強いところ、弱いところ。

まっすぐなところ、ゆがんだところ。

気持ちが張っているところ、ゆるんでいるところ。

などなど。

心のものさしを使えば、丸いものも角ばったものも、長いものも短いものも、ゆがんだものも、まっすぐなものも、よく知ることができます。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

世界は自由だ、人生は自由だ

$
0
0

宮本武蔵の書いた『五輪書』の中に、「刀を手放す」という言葉があります。好きな言葉です。世界は自由だ、人生は自由だ、と感じさせてくれます。

 

方法はいろいろある

「刀を手放す」の原文は「束を放す」です。

意味は「刀にこだわらなくても、勝てる方法はある」です。

 

思い込みという重荷を捨てる

「刀を手放す」。

この言葉を読むと、ぼくは…

これがないからアレができないとか、

アレがないからうまくいかないとか、

AがなければBにならないとか、

あれをしなければいけないとか、

これをするのが当たり前だとか、

そういう否定的な思い込みから、少しだけ自由になれる気がします。

 

もっと自由でいい

絶対に必要だと思い込んで、こだわっている何か。

それを手放しても、じつはうまくいくのかも知れません。

 

思い込みやこだわりという重荷から、ぼくらを解放してくれる言葉。

それが「刀を手放す」です。


武蔵の爆弾発言「二刀は戦いづらい」

$
0
0

宮本武蔵は、江戸時代のはじめに活躍した刀の達人です。きょうは、宮本武蔵の爆弾発言について見ていきたいと思います。

 

二刀流で有名なのに…

宮本武蔵は刀の達人です。武蔵といえば、二刀流です。

両手に刀をもつスタイルで有名になりました。

ところが…

blogirasuto5

 

宮本武蔵の爆弾発言

武蔵は『五輪書』という本を書きました。

その中で、こんな爆弾発言をしています。

「両手に刀を持つと戦いづらい」

武蔵っ ( ̄□ ̄;)!!

自分が得意とする二刀流を否定するかのような言葉です。

 

二刀流の本当の意味

武蔵はなにも、二刀流を否定しているわけではありません。

真相はこうです。

ふうつ、二刀流ときくと、両手に刀をもって戦う姿をイメージします。

でも、二刀流の本当の意味はちがうようです。

 

片手で刀をあつかうこと

武蔵のことばによると…

二刀流とは、片手で刀をあつかうことなのだそうです。

そのために、ふだんから両手に1本ずつ持って練習するのだそうです。

実戦で両手に刀を持って戦うことをすすめているわけではないんですね。

 

おまけ

ただ例外として、武蔵は、

「大勢を相手に一人で戦うときなどは、両手に刀を持つのもOK!」
( ̄一* ̄)b キラン

と言っています。

以上、宮本武蔵の爆弾発言でした。

言葉の真意というのは、よく聴いてみないとわからないこともありますね。

宮本武蔵のおもしろい話・意外な逸話

$
0
0

宮本武蔵は、江戸時代のはじめに活躍した剣士です。宮本武蔵のおもしろい逸話を集めてみました。

 

武蔵は遅刻しなかった

宮本武蔵の戦いでもっとも有名なのは、巌流島の決闘です。

武蔵は約束の時間にわざと遅れてきて、相手をイライラさせて勝ったといわれています。

でも…

史料『小倉碑文』には、じつはこう書いてあります。

「ふたりは同時に相対した」

決闘の場所についたのは、同時だったんですね。

 

対戦相手は佐々木小次郎ではなかった

巌流島の戦いの対戦相手は、一般的には、佐々木小次郎だといわれています。

ところが…

史料『小倉碑文』をよく読むと、対戦相手の名前は一切出てこないんです。

史料のなかでは、ただ単に「岩流」と呼ばれています。

「岩流」とは、その人物がつかっていた剣の流派の名前です。

本名はわからないんです。

武蔵の死後、百数十年たってようやく、佐々木小次郎という架空のフルネームが完成しました。

 

太鼓をみて二刀流を思いつく

宮本武蔵といえば、二刀流です。両手に刀をもつスタイルです。

武蔵はこれをどこで思いついたのか。

諸説あります。ひとつは、神社の太鼓です。

両手のバチで太鼓をたたいている人をみて、ピンと来たんですね。

 

船のオールがヒントに

二刀流の原点としては、こんな話もあります。

あるとき、武蔵は一人で大勢の敵を相手にしたことがありました。

その際、片手には刀を持ち、もう片方の手には船のオールの切れ端を持って戦ったそうです。

このときに、「これはいいかも!(・∀・)」と、二刀流のヒントを得たともいいます。

 

「両手に刀を持つと戦いづらい」

一方で、二刀流を否定するかのような爆弾発言もしています。

「両手に刀を持つと戦いづらい」

って、武蔵( ̄□ ̄;)!!

⇒関連記事:宮本武蔵の爆弾発言「二刀は戦いづらい」

blogirasuto5

 

一流の剣士であり、一流のアーティスト

宮本武蔵は、一流の剣士です。

と同時に、クリエイティブな才能に恵まれた一流のアーティストでもありました。

絵や彫刻の腕前は、プロ級でした。

武蔵の描いた「枯木鳴鵙図」(こぼくめいげきず)という絵は有名です。

こちらの本の表紙カバーにもなっている、この絵です。
五輪書 (ちくま学芸文庫)

以上、宮本武蔵のおもしろい逸話、意外な横顔でした。最後まで読んでくださってありがとうございました。

宮本武蔵が実践した目的への5ステップ

$
0
0

ぼくたちが何かに取り組もうとするとき、『五輪書』の構成は、ちょっとした参考になりそうな気がします。

『五輪書』は、地・水・火・風・空の5つのステップからなっています。

各ステップの内容を以下にまとめてみますね。

 

ステップ1 地の巻

そもそも何のためなのか。目的を明確にします。

たとえば、宮本武蔵の場合は、「勝つ」ことが目的でした。

目的がはっきりしたら、事前の心がまえや、取り組もうとしていることの意義やコンセプトなどを理解します。

いきなり細かく枝葉末節に深入りするのではなく、ザッとものごとの概要をつかみます。

だいたいの内容や全体像を把握します。

ものごとに取り組むにあたっての地ならしの意味で「地の巻」といいます。

 

ステップ2 水の巻

「地の巻」で事前準備が整ったら、具体的な内容に入っていきます。詳細を知るステップです。

たとえば『五輪書』では、刀を扱うときの心がまえ、からだの使い方、刀の握り方、構え、振り方などが書かれています。

このステップの心のもち方は、水を理想とします。

水は四角い容器に入れると四角になります。丸い容器にいれると丸くなります。素直に、柔軟に。

さらに…

水の一滴は小さくても、あつまると大海になることから、継続力や小さな積み重ねも大切と言えます。

 

ステップ3 火の巻

実践編です。事例、ケーススタディ、OJT等。

前ステップで身に付けたワザを現場で活かすための心得です。

『五輪書』では、戦場での立ち位置や状況の見方、実戦での攻め方などが書かれています。

机上の空論ではなく、実際の場面にあてはめていきます。

 

ステップ4 風の巻

他者とのちがいを意識します。

一度自分自身のことから離れて、他者の取り組みに目を向けます。

他者とのちがいを知ることで、自分らしさを知ります。

『五輪書』では、ほかの流派との比較が書かれています。

 

ステップ5 空の巻

理想的なありかたは何か。本当に手に入れたいものは何か。

もしかしてブレてはいないか。

これまでの取り組みに執着しすぎて、かえって本来の目的から遠ざかってはいないか。

自分のありかたを見つめなおします。

mezasu

以上が『五輪書』の5つのステップです。

『五輪書』の文章は、当時の日本の書きものとしては群を抜いて論理的だと言われています。文章だけではなく、この5つの構成も、ひとつの「取り組み方」として、とても理にかなっているような気がします。『五輪書』から学ばせてもらえることは、たくさんありますね。武蔵に感謝です。

勇気がわいてくる宮本武蔵の名言

$
0
0

宮本武蔵の『五輪書』のゆるい現代語訳より。小さなことをまっすぐに積み重ねていくことが大切なんだと教えてくれる、宮本武蔵の名言をあつめてみました。自分自身への勇気づけとして。

 

「他人と同じようにできなくても、自分らしくできればイイんです」

『五輪書』地の巻(7)より。原文は「人真似をせずとも我が身に従い」です。

 

「大海も、もとは小さな一滴でした」

『五輪書』地の巻(4)より。原文は「一滴となりソウ海となる」です。

 

「あの大きな大仏も、職人さんの小さな道具で作られます」

『五輪書』地の巻(4)の内容をもとにした、ゆるい現代語訳です。原文は「尺の型を以て大仏を建つる」です。

 

「小さなゆがみが、あとで大きなゆがみになります。まっすぐ行きましょう」

『五輪書』地の巻(4)の内容をもとにした、ゆるい現代語訳です。原文は「少し心の歪みについて後には大きに歪むものなり」です。

blogirasuto6

サッカー鈴木武蔵選手が『五輪書』断念

$
0
0

サッカーはあまり詳しくないのですが、Yahooニュースであるサッカー選手のお名前を拝見しました。鈴木武蔵選手です。

武蔵というお名前。宮本武蔵とおなじですね。

Yahoo!ニュースによると…。サッカーの鈴木武蔵選手は、夏の京都合宿のとき、宮本武蔵が修行したという妙心寺で座禅を体験されたそうです。

そのとき、住職から『五輪書』をすすめられたといいます。

すすめられてすぐに『五輪書』を買ったのですが、ことばが難しくて断念されたそうです。

それにしても、『五輪書』を読むのを断念したことがニュースになるとは。すごい。おかげで、サッカーに詳しくないぼくも、お名前を覚えました。

来年はリオデジャネイロ・オリンピックなんですね。ご活躍を期待しています。

吉川英治が語る宮本武蔵への思い

$
0
0

吉川英治という作家さんがいます。小説『宮本武蔵』を書いた方です。ぼくら日本人が抱く宮本武蔵のイメージは、この小説がもとになっています。

「吉川英治」と呼び捨てにするのは恐れ多いです。だからといって、「吉川英治さん」と呼ぶのも、かえって馴れ馴れしい。悩ましいところですが…。偉人を呼ぶときには呼び捨てにするように、敬意をこめて「吉川英治」と書かせていただきます。

 

さて。

吉川英治の『宮本武蔵』。

約10年ぶりに手に取って、なにげなく冒頭を読んでみると…。

とまりません。

じっくり読むつもりはなかったのに、一気に途中まで読んでしまいました。

 

小説『宮本武蔵』の本文がおもしろいのは言うまでもありませんが、「はしがき」も興味津々で読めます。

小説『宮本武蔵』のはしがきから、響いたことばを抜粋してみました。

 

武蔵の剣は殺ではなく、人生呪詛でもない。護りであり、愛の剣である。

 

なやみ、もがき、猛り泣いて、(略)救われるべき「道」をさがし求めた生命の記録が彼であった。

 

吉川英治が宮本武蔵をどんなふうにとらえて小説を書いたか、思いが伝わってくる言葉ですよね。たくさんの人が、武蔵のもがいた道を自分と重ね合わせて、感じたり救われたり勇気づけられたりしたのでしょうね。

 

宮本武蔵の兵法35か条 その11~12

$
0
0

宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳です。今回は第11条と第12条です。

 

第11条 刀の軌道

刀を振るとき、刀がどんな軌道をとるのか分かっていないと、思うように振れません。

刀と小刀はちがいます。

刀は、小刀みたいにちょちょいと手軽に振るわけにはいきません。

刀を振るときは、「重いものを振るんだ!」という気持ちで、静かに振るといいですよ。

刀の軌道が相手にあたるように、よく練習してみてくださいね。

 

第12条 打つと当たる

「打つ」と「当たる」はちがいます。

「打つ」とは、ここを斬るぞ!と狙いをさだめて斬ることです。

「当たる」とは、とくに狙いをさだめず、どこでもいいので斬ってみることです。

 

「当たる」の場合は…

刀が相手のからだにぶつかってもOK。

相手の刀にぶつかってもOK。

もっと言えば、どこにもぶつからなくてもOKです。

それが「当たる」です。

「当たる」とは、つぎに狙いをさだめて「打つ」ための前段階と考えてもいいですね。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ


宮本武蔵が残した45の名言

$
0
0

心に残った宮本武蔵の名言を、ずらっと見やすく45個ならべてみました。ゆる~い現代語訳で表現させていただいています。

 

「ふだんから本番のように。本番はふだんのように」

「他人を知ってはじめて、自分がわかります」

「体は忙しく動いても、心まで忙しくならないように」

「刀がないと勝てないという思い込みは捨てましょう」

「他人のマネをしなくてもいいんです。自分に合ったものが、きっとあります」

 

「人はだれでも、これと決めた自分の道を、磨きぬいていくことが大切なんです」

「力んで道筋に反しないこと。あせらず自然に」

「目に見えるものを凝視してはいけません。本当に見るべきは、相手の心です」

「心は揺らいでいいんです」

「相手の懐に飛び込むと決めたからには、少しも手を出してはいけません」

 

「大海も、もとは小さな一滴でした」

「とっておきの奥義など無いのです。奥義も基本もすべてつながっています」

「この五輪書は、習うのではなく、気づくつもりで手にとってください」

「はじめの思惑と違ったことになっても、それに固執せず、つぎの可能性を探ればいいんです」

「ものごとは、出っ張った部分が削られると、勢いが弱まります」

 

「相手を傷つけようとすれば、自分も傷つくものです」

「雰囲気は人に移る」

「弱気にならない、調子に乗らない、小手先の計算はしない」

「長い刀でも勝てます。短い刀でも勝てます。どんな条件でも、うまくいく道はきっとあるものです」

「長い刀がダメなわけではありません。長い刀さえあれば勝てるという、片寄った考え方がダメなのです」

 

「剣術だけをマスターしようとすれば、剣術さえもマスターできません」

「どんなものにも、タイミング、流れ、呼吸、機微といったものがあります」

「朝も昼も夜も、自分の決めた道を心がけましょう」

「幅広くいろいろな芸に触れよう。さまざまな生き方を知ろう」

「うまくいくには、うまくいくだけの道理があります」

 

「うまくいく方法を身に付けた上で、それに固執しない」

「ふだん通りが一番です」

「心が体につられないように。体が心につられないように」

「心は広く、まっすぐに」

「張りつめず、ゆるまず、片寄らず」

blogirasuto3

「心を真ん中におく」

「心を水にする」

「大きな大仏も、小さな道具で作られます」

「小さなゆがみが、あとで大きなゆがみになります」

「相手の動きを知りながら、相手の動きにとらわれない」

 

「遠いところを近く見て、近いところを遠く見る」

「刀は、構えるつもりで構えないでください。斬るつもりで、構えてください」

「構えあって構えなし」

「相手の先手を抑え込もうと待ち構えている時点で、後手に回っているのです」

「心は刀に表れます」

 

「山と思うところを海と発想し、海と思うところを山と発想する」

「粘るのは強さです。もつれるのは弱さです」

「無理せずいきましょう」

「ぜんぶに力を入れると、うまくいきません」

「智恵があり、理があり、道があり、人の心は空となります」

強くあるより自分らしく

$
0
0

宮本武蔵は江戸時代のはじめに活躍した剣士です。連戦連勝だったとも言われています。

武蔵がきわめた剣の道。

それを後世に残すために記されたのが『五輪書』です。

 

『五輪書』は強くなるための本ではない

 

無敵の剣豪が書いた、剣の本。

そう聞くと、強さを追求した本に思えるかもしれません。

 

でも…

『五輪書』は、強くなるための本ではありません。

力強さは、あまり重視されていません。

 

むしろ…

「強ければいいというものではない」

という意味のことが書かれています。

 

強くなるためではなく勝つための本

 

では、『五輪書』は何のために書かれたのか。

勝つためです。

 

強いことと、勝つことは違います。

強いから勝てるわけではありません。弱いから負けるとも限りません。

 

強かろうが、弱かろうが、勝つことが大事。

それが『五輪書』です。

 

武士のテーマは勝つこと

 

では、なぜ武蔵は勝つことにこだわったのか。

それは、勝つことが武士のテーマだからです。

 

武蔵はこう言っています。

「世間では、いさぎよく命を捨てるのが武士だと思っている人もいます。それは違います」

「武士の役割は、命を捨てることではありません。勝つことです」

 

武士の役割は、勝つこと。

だから武蔵は、勝つことをテーマにして『五輪書』を書きました。

 

ぼくらは武士ではない

 

ぼくらは武士ではありません。

かならずしも勝つことをテーマにしなくてもいいんです。

 

自分なりのテーマをもって読む

 

人それぞれ、やってみたいことや、こだわってみたいことがあります。

人それぞれに、自分なりのテーマがあります。

 

強くあるより自分らしく

 

武蔵のばあいは、勝つことがテーマでした。

武蔵が勝つことを追求したように、ぼくらも『五輪書』を通してそれぞれのテーマを追求する。

ぼくはそんなふうに『五輪書』を読むのが大好きです。

すると『五輪書』の一文一文がとても身近に思えてきます。

 

『五輪書』は、強さを求めた本ではありません。

それぞれのテーマを求めるための本なんです。

強くあるより、自分らしく。

好きや得意なだけでは食べていけない

$
0
0

自分はこれで食べていきたい!という理想の道が、人それぞれあると思います。

それは、「好き」な道かも知れないし…

「得意」な道かも知れません。

もしかすると、「好き」で「得意」な道かも知れません。

 

宮本武蔵は『五輪書』の中で、

「人それぞれ自分の道を磨いていくことは大切ですよね」

と言っています。

 

でも。

ただ単に「好き」や「得意」だけでは、うまくいかない。

うまくいくためには、何が必要か…

その答えを、武蔵は『五輪書』地の巻に書いています。

 

「人はみな、世間において自分の道を磨いていくことが大切です」(宮本武蔵)

 

世間において。

つまり…

人さまとのかかわりの中で、自分の道を磨いていく。

人さまに役立つように磨いていく。

人さまに喜んでもらえるように磨いていく。

それが大事なんですね。

人生でするべきたった一つのこと

$
0
0

宮本武蔵の『五輪書』はもともと、武士が戦いで勝つための本です。

武士にとって、するべきたった一つのことは「勝つ」ことでした。

 

ぼくらには「勝つ」より大切なことがある

 

ぼくらは武士ではありません。

ぼくらには「勝つ」以外に大切なことがあります。

ぼくはのんびりした人間なので、争い勝つために『五輪書』を読んだことはありません。

 

人生でするべきたった一つのこと

 

ぼくの誕生日は、冬です。

窓の外に、やわらかい冬を感じながら、読みたい本があります。

あなたの物語―人生でするべきたった一つのこと

涙があふれてきます。ずっと大事にしたい本です。

 

生きられなかった命たちの声

 

※ここから本の内容についてネタバレがあります。

m(_ _)m ぺこり

 

では。

失礼して。

ネタバレを…。

 

この本は、今を生きるぼくらへのメッセージです。

生きたくても生きられなかった無数の命たちの、あたたかいメッセージ。

 

彼らがぼくらに願うことは、たった一つ。

彼らが経験できなかった空を、風を、花を、波の音を、星の輝きを、そして世界を

楽しむこと。

 

本を読みながら、涙があふれてきました。はじめは、この本のあたたかさに。それから、この本をプレゼントしてくれる人の、心のあたたかさに。

 

この世界を楽しむために

 

『五輪書』はいろいろな読み方ができます。

「勝つ」ために、読むこともできます。

毎日を楽しむために、読むこともできます。

ぼくらのするべきたった一つのことが、人生を楽しむことであるなら…

この日々を味わい尽くすために『五輪書』を開いてみたいなと思います。

宮本武蔵の兵法35か条 その14~15

$
0
0

宮本武蔵の書いた『兵法35か条』のゆるい現代語訳です。今回は第14条と15条です。

 

第14条 渡を越す

こちらから仕掛けた瞬間、もしも「ん。これはちょっと不利そうだな…」と思ったら…

体も足も、相手にぴったりとくっつけてしまってください。

逆に、ぶつかりあった瞬間、自分のほうが有利だと思ったら、気にすることはありません。

これと通じるような内容は、ほかの条項にも書いておきますので、参考にしてみてくださいね。

 

第15条 刀に替わる身

刀と体と心…。

この3つを動かすタイミングの話です。

 

刀を打ち出すときは、体がつられないようにしてください。

また…

体を「打ち込みの態勢」に見せようとするときは、刀の動きは後回しです。

これは空の心です。

 

刀と体と心。これらを、同時に打ち出すことはありません。

ケースバイケースで、心を内に残したり、体を内に残したりします。

ぜひ研究してみてください。

宮本武蔵の兵法35か条 現代語訳もくじ

Viewing all 79 articles
Browse latest View live