風の巻(4)
斬り方の種類
流派によっては、刀の振り方のバリエーションをわざと多くして弟子たちに伝えるところもあります。
これは武芸を売り物として華やかにするためです。
バリエーションが多いほど世間から「すごい!」と思ってもらえます。
でも…
実際のところ、斬り方にそれほど多くの種類があるわけではありません。
「斬り方にはいろいろある」と思うのは、心の迷いがあるからです。
打ち、叩き、斬る。その方法に多くの種類はありません。
変わったところでは、「突く」や「なぎ払う」があるくらいです。
あまり小手先のワザを駆使しても、うまく斬れません。
心も体もまっすぐに。これがわが流派です。